
父が入院したのはもう3年程前ですが、入院当日の衝撃だったやりとりを書いていきたいと思います。
もうあの衝撃の出来事から3年経つのかと思うと、月日が流れるのは本当に早いなと思います。
突然妹から電話がかかり、急いで実家に戻り父をとっつ捕まえて病院へ連れて行った、あの日病院での出来事を詳しく書きます。
看護師の私は、教科書で学んでたことが自分の目の前で起こりプチパニックだったのを覚えてます。
それまでの話はこちらを【体験記ブログ】父が突然精神疾患になった話お読みください。

診察室での話
まず診察室に父と私と妹で入りました。若い女性の精神科医とその隣に50代位の男性の精神科医2人が座っていました。(強制入院には2人の医師の診断が必要だから)
女性医師が基本的に話をし、男性医師は父をずっと観察していました。
何か困っていることがないかと聞かれ父は、命を常に狙われている、自宅に帰ると上に住んでいる公安警察から見張られている、車も爆破されたと話始めました。
マンションの上の階には男女の公安が住んでいて、具体的な年齢等も実際に見ているかのように話していました。
職場でも電信柱の上からスナイパーに狙われていると言っていました。
理由を聞かれると、朝鮮人だからだと答えました。父が具体的なエピソードを話す度、家族は事実を確認をされました。
父は断片的な話でも本当に実際に起こっているみたいに、具体的に話をして事実と嘘が入り混じっていました。
父はひどく怯えていて、その姿は本当に命を狙われている人そのものでした。
でもその時私は父が話す言葉の内容が、精神科の教科書の統合失調症の方の話す妄想と幻覚全くそのままなことに気づき、そのことでこの先の不安や恐怖に怯えました。
支離滅裂に自分の恐怖を話す父に医師は、入院を勧めました。私は父は絶対に入院しないと思ってました。(だってここまで連れてくるのも一苦労だったのだから)
でも医師が一言、入院したら命を狙われることはなくなるし、必ず私達が守ると言いました。
その話を聞いて父は入院すると言いました。私はよっぽど外の世界が怖くて、本当に父の世界では命を狙われているんだと思いました。
精神科の病気の怖さを実感しました。
そのあとに医師が今回の入院は医療保護入院にする(家族の同意で入院でき本人の意思では3ヶ月は退院できない入院)と説明し、父に同意書まで書かせました。
そのあと必要な検査を受けに診察室をあとにした父を見て、医療者って凄いな、専門科って凄いな、と心底感じました。

医師の見解
父が検査中医師が、私に病状等詳しく説明してくれました。
精神科の医師は本当に皆優しい。優しさ100%でできてると思います。
今まで会ってきた中で精神科の医師がまじで優しさ№1です。
父は多分統合失調症だと思うとのことで、確定診断は統合失調症の薬を出し効果があればできるが、そうでなければ手当たり次第に薬を試し、効いた薬が病名になるとのことでした。
入院したら真っ先に統合失調症の治療を始めると言われました。妄想や幻覚は本人の頭の中で想像している内容から作り出されるため、原因は不明だが何か精神的なストレスや不安が強いからあんなにも酷い幻覚と妄想が作り出されているとのことでした。
だから本人にとっては紛れもない事実で、現実となにも変わらないことだそうです。
更にひどくなれば、刃物を振り回したり自殺したりする可能性もあると言われました。
外部刺激が症状をさらに強めるため、完全に鍵がかかって出られない閉鎖病棟に入院し、3ヶ月しかいれないため3ヶ月経ったら退院になると説明されました。
3ヶ月経っても落ち着いてない時は一度退院し、再度入院する形に法律上なるとのことでした。
私は閉鎖病棟が看護学校の実習でどんなとこか知っていました。言い方は良くないけどちょっときれいな監獄と一緒です。そんな所に父が入院することになるなんて、思ってもみませんでした。
とっても悲しい気持ちでいっぱいでしたが、そんなことも言ってられない位父の病状は深刻でした。
効く薬が早く見つかりますようにと願いながら、病棟には殆ど何も持ち込めないとのことで父と荷物を整理しました。
父の荷物の中には、手裏剣やナイフ等武器がいっぱいでした。(鞄も重たいしドンびいた)
職質とかされたら引っかかるやつやぞ、これはと思いました。
昔から父は手裏剣とか集めるの好きでした。趣味と思ってたけど、命守るためだったかもしれないです。
ベルトやフォーク等も持ち込めず(自傷できそうなものは全部だめ)、武器なんてもってのほかです。
5人位の看護師に囲まれて閉鎖病棟へ行く父の姿は、犯罪者の輸送中みたいでした。

まとめ
この時の私の感情は、もうぐちゃぐちゃでした。悲しみ、不安や恐怖、辛かったしなんてことが起こってしまったんだろうとか、いろんなことを考えたり思いすぎてフリーズしてました。
自分の仕事とかこれからのことや、父の仕事やこれからのこと、そして病状のこと。
閉鎖病棟に入院したから安心というわけではないし(閉鎖病棟入院中に自殺することもあるから)、考えてもでない答えに悩み続けました。
今思えばとっても時間が勿体ないし、これから想像もしてないことがいっぱい巻き起こるんだから。
もうなるようになると思って前に進むしかない。
もし今あの時の私と同じ現状の人がいるなら、とりあえずご飯食べて寝て、自分を大事に考えること何か起きても自分をまず中心に置くようにすることを伝えてあげたい。
そして一人じゃないよ。精神疾患を持つ家族はいっぱいいるよ、気持ちちょっとやけどわかるよと言いたい。
同じような人と話したかったけど、身近にはいなくて1人で辛いって思ってたからブログ書いてみました。
また父についてのこと書きます。お読みいただきありがとうございました。

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